COPDバイオマーカーのご紹介
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は代表的な呼吸器疾患の一つです。
特に喫煙がきっかけとなり、肺胞の破壊や気道炎症等が起こります。
日常生活では息切れや咳・痰などを引き起こします。
COPDを示すバイオマーカーはさまざまな研究機関で研究が進められておりますが、
その中の一つをご紹介いたします。
Ma et al. (2011) Quantitation of desmosine and isodesmosine in urine, plasma, and sputum
by LC-MS/MS as biomarkers for elastin degradation. J Chromatography B 879: 1893-1898.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570023211003163
肺胞をつかさどる弾性繊維エラスチンという物質があります。
COPDではエラスチンの分解が起こり、エラスチン由来ペプチドが
血中・尿中に生じます。
エラスチン由来ペプチドには「デスモシンdesmosine」と
「イソデスモシンisodesmosine」という物質が含まれており、
今回ご紹介した論文では、喫煙者や受動喫煙者で、
非喫煙者よりも血中desomosineが高いことが示されています。
まだまだ、実験技術の難しい方法ではありますが、確立すれば、
COPD診断方法の一つになるかもしれません。