膵臓のβ細胞において増殖を誘導するホルモンを発見

動物実験において、膵臓のβ細胞の増殖を誘導するホルモンが発見されたことが発表されたので、論文のご紹介を致します。

Betatrophin: A Hormone that Controls Pancreatic β Cell Proliferation
http://download.cell.com/pdf/PIIS0092867413004492.pdf?intermediate=true

成人において膵臓のβ細胞は主に自己複製によって生成されます。
本研究では、主に肝臓と脂肪組織で発現する、β細胞の増殖を促進するホルモン、
“ベータトロフィン”を同定しました。ベータトロフィンは急速かつ強力に、β細胞を
特異的に増殖させるホルモンであり、肝臓での過剰発現により耐糖能が改善されることが示されました。

将来的に、糖尿病患者にベータトロフィンを投与してβ細胞数を増加させることにより、
インスリン注射の増強または代替治療が可能になるかもしれません。
参考：Cell. 2013;153:1-12.