健康豆知識:自己免疫疾患と性ホルモンの関係
自己免疫疾患と性ホルモンに関する動物実験の論文が発表されたのでご紹介いたします。
Sex Differences in the Gut Microbiome Drive Hormone-Dependent Regulation of Autoimmunity
http://www.sciencemag.org/content/339/6123/1084.abstract
自己免疫疾患は女性に多い傾向があり、腸内共生細菌や性ホルモンがかなりの
影響を与えていると考えられています。
成熟雄マウスの腸内細菌を未熟雌マウスに移植したところ、
雌マウスにおいてテストステロンが上昇し、
膵臓のランゲルハンス島の炎症や自己抗体の産生が減少し、1型糖尿病が減少しました。
これらの作用はアンドロゲン受容体活性に依存していることが分かりました。
以上の結果から、若齢期の腸内共生細菌の状態は性ホルモンレベルによって、
自己免疫疾患の発症に大きな役割を果たすものと考えられる、とまとめられています。
この研究は動物実験の結果であるため、ヒトにも応用されれば今後自己免疫疾患の
分野における更なる発展の足掛かりとなるのではないでしょうか。